中島京子『やさしい猫』
読売新聞で連載していた中島京子の『やさしい猫』
昨日で終了してしまいました
なんとも贅沢な “読売黄金時代”だったのですが
毎日の楽しみだっただけに ちょっと寂しいけれど
大団円で良かった良かった
国際結婚の問題点や 新しい家族を作り上げていく過程を
中島ワールドならではの
優しくユーモアある筆致で繰り広げられるのですが
裁判シーンの緊張感といったら!
手に汗握る展開で 先が気になり
毎日ちょっとずつしか読めないのがもどかしかったです
主人公マヤちゃんの
義理の父親にあたるスリランカ人のクマさんが
具合が悪いのに必要な治療を受けられず・・・という展開のさなか
現実でも 入管による長期収容が問題になったり
収容中に救命措置を受けられず 外国人女性が亡くなったというニュースが飛び込んできて
誰かの意思決定が 他人の人生を左右してしまうこと
人権や尊厳といったこと
色々考えさせられました
中島作品 先月発売された『ムーンライト・イン』 も
あたたかく 素敵な話
職を失い、自転車旅行の最中に雨に降られた青年・栗田拓海は、年季の入った一軒の建物を訪れる。穏やかな老人がかつてペンションを営んでいた「ムーンライト・イン」には、年代がバラバラの三人の女性が、それぞれ事情を抱えて過ごしていた。拓海は頼まれた屋根の修理中に足を怪我してしまい、治るまでそこにとどまることになるが――。
人生の曲がり角、遅れてやってきた夏休みのような時間に巡り合った男女の、奇妙な共同生活が始まる。
突然失業し 気力を失うなか自転車旅行に出た 登場人物の栗田拓海
ちょうど年齢設定が近いこともあって
ユチョンだったらどんな風に演じるかな と思ってしまいました
物思いにふける拓海氏
どことなくやる気のない雰囲気を醸し出し なかなか仕事の採用に至らない拓海氏
(しかしバイト経験が豊富なため ひと通りのことは大変器用にこなせる)
アンニュイな拓海氏・・・いやいや 小説を読む限り こんなに可愛いイメージではない
単に私のお気に入りの一枚!