中島京子『やさしい猫』

 

読売新聞で連載していた中島京子の『やさしい猫』

昨日で終了してしまいました

 

一紙で中島京子角田光代の連載小説を読めるという

なんとも贅沢な “読売黄金時代”だったのですが

 

毎日の楽しみだっただけに ちょっと寂しいけれど

大団円で良かった良かった

 

 

国際結婚の問題点や 新しい家族を作り上げていく過程を

中島ワールドならではの

優しくユーモアある筆致で繰り広げられるのですが

裁判シーンの緊張感といったら!

手に汗握る展開で 先が気になり

毎日ちょっとずつしか読めないのがもどかしかったです

 

 

主人公マヤちゃんの

義理の父親にあたるスリランカ人のクマさんが

オーバーステイ出入国在留管理庁の施設に収容され

具合が悪いのに必要な治療を受けられず・・・という展開のさなか

 

現実でも 入管による長期収容が問題になったり

収容中に救命措置を受けられず 外国人女性が亡くなったというニュースが飛び込んできて

 

誰かの意思決定が 他人の人生を左右してしまうこと

人権や尊厳といったこと

色々考えさせられました

 

 

中島作品 先月発売された『ムーンライト・イン』 も

あたたかく 素敵な話

ムーンライト・イン

ムーンライト・イン

  • 作者:中島 京子
  • 発売日: 2021/03/02
  • メディア: 単行本
 

職を失い、自転車旅行の最中に雨に降られた青年・栗田拓海は、年季の入った一軒の建物を訪れる。穏やかな老人がかつてペンションを営んでいた「ムーンライト・イン」には、年代がバラバラの三人の女性が、それぞれ事情を抱えて過ごしていた。拓海は頼まれた屋根の修理中に足を怪我してしまい、治るまでそこにとどまることになるが――。
人生の曲がり角、遅れてやってきた夏休みのような時間に巡り合った男女の、奇妙な共同生活が始まる。

 

突然失業し 気力を失うなか自転車旅行に出た 登場人物の栗田拓海

ちょうど年齢設定が近いこともあって

ユチョンだったらどんな風に演じるかな と思ってしまいました

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物思いにふける拓海氏

 

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どことなくやる気のない雰囲気を醸し出し なかなか仕事の採用に至らない拓海氏
(しかしバイト経験が豊富なため ひと通りのことは大変器用にこなせる)

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アンニュイな拓海氏・・・いやいや 小説を読む限り こんなに可愛いイメージではない

 

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単に私のお気に入りの一枚!