『最後のダ・ヴィンチの真実』
先日読んだ本
ベン・ルイス『最後のダ・ヴィンチの真実』
13万円で落札された絵画は、なぜ12年で510億円になったのか?
アートの価値は誰がどのように決めるのか、価値と値段は比例するのか――。
最後のダ・ヴィンチ作品の発見として注目を集め、その後、史上最高額の510億円で落札され話題となった男性版モナリザ「サルバトール・ムンディ」。
その謎に包まれた足跡を追う中で見えてきた美術界の闇。衝撃のノンフィクション!
2017年に 4億5千万ドル(約510億円)で落札された
「サルバトール・ムンディ」(世界の救世主)
あの時はずいぶん話題になったけど
そういえばあの絵 今どうなってるんだっけ?という素朴な疑問に
この本が答えてくれました
落札者はムハンマド・ビン・サルマーン皇太子
サウジの金で買われ
現在は所在が不明
パリのルーブル美術館も 貸し出しを依頼したが
ダ・ヴィンチ作との確証がされていないため
落札者側が応じなかったとのこと
本書では 皇太子の寝室にでも飾られているかも との推察でしたが
皇太子所有の高級ヨットの中にあったと 今年になって報道されたそうで
あ~惜しかったですねぇ
寝室じゃなくてヨットですって!
じゃなくて💦
絵画の保存
温度とか湿度とか光とか
色々気を配らないといけないのに
ヨットとは・・・
まぁ 私が想像するより遥かに大きくて豪華なんでしょうし
専用の美術スタッフが管理しているのかもしれないけれど
せっかく修復したのに すぐ傷んでしまった!なんてことになったら
痛ましすぎる😢
あの絵はダ・ヴィンチ1人が描いたのではなく
弟子たちの手も入ってるんじゃないのかなぁと
実物を目にしたこともないくせに思っていますが
かといってラフに扱われて良いわけはないので
美術館で専門家の手によって管理される日が来てほしいです
この本より 絵画の価値の判断基準の記述を抜粋
「芸術、古典作品などの起源、出所、来歴。作品の真贋や、その質の高さの判断材料になる」
オランダ生まれのイギリスの思想家バーナード・デ・マンデヴィル(1670-1733)は、イギリスの王室に残されたルネサンスの画家ラファエロの作品群について言及しつつ、こう述べている。
絵画の価値が決まる要因は、作者の名前と、その絵がいつ描かれたものかといったことだけではない。その画家の作品がどれだけ希少かということに加えて、公平さを欠くようだが、所有者たちの社会的地位や、更には単にどんな人たちが所有していたかということだけでなく、どれだけの期間、名門諸家に置かれていたかが大きな判断材料になる。もしハンプトンコートにあるその実物大の下絵がラファエロではなく、もっと名もない画家の手によるもので、しかもどこかの個人所有物であり、その所有者が売りに出さざるをえなくなったのだとすれば、絵の傷も全部加味されて、現在の見積額の10分の1にもならないだろう。
自分が好きだと思えば 世間的にはどうであれ
それは良い絵で価値のあるものだと思うのですが
それを生業とする人々の世界では そうもいかないようです